セントラル・ステーションというブラジル映画をご存知でしょうか。
1999年の映画なので少し古いのですが、当時アカデミー賞外国語映画部門にもノミネートされ(結局受賞したのはナチス政権下の家族を描いたイタリアの“ライフ・イズ・ビューティフル”。これもすごくいい)隠れた名作です。

リオデジャネイロの中央駅で読み書きできない人の為に手紙の代筆をして生計を立てる元教師の初老独身女性、ドーラ。(ブラジルは一定数の人が読み書きできない為、こういう代筆業が成り立つ)
しかしドーラは書いた手紙を投函する事なく自宅の引き出しにしまい込んだまま放置するという、最低なオバさんなんですね。
ある日子供連れの母親が、別れた夫にやり直したいとの手紙の代筆を頼みにドーラの所にやってきます。しかしドーラに手紙を託した直後、母親は暴走してきたバスに轢かれて即死。9歳の息子、ジョズエだけがその場に残されます。
駅に寝泊まりするようになったジョズエを見かねたドーラは、彼を自宅に連れ帰り、後日里親を探してくれるという男にジョズエを預けますが、それが子供を狙う臓器売買の闇組織だとわかり、あわててジョズエを連れ戻す。
で、住所を頼りに、しぶしぶジョズエと一緒に彼の父親探しの旅に出る・・といういわゆるロードムービーです。

ませた口をきくジョズエですが、主人公のドーラが何といってもめちゃくちゃ自己中。暴言は吐くわ、やることなすこと意地が悪いわ品がないわ、はっきり言ってスレた大人の見本のような人です。
人生を半ば捨てており同じアパートにイレーニという親友がいる他は頼る人もありません。
そんなドーラがジョズエとの旅を経て人間味を取り戻していくお話です。

根っからの悪人にもなりきれない彼女は、文句を言いながらも自分を頼ってくるジョズエにだんだん愛着を感じるようになります。犯罪大国ブラジルの社会描写もリアルで、どんな劣悪な環境でも自分の力でしたたかに生き抜くしかない現実や、かと思えば意外な所から助けの手が差し伸べられる希望とか、とにかく厳しさと優しさの描き方のバランスが絶妙なのです。
最後は切なくも希望あふれるラストでとってもすがすがしいです。

日本でも今、コロナに便乗して人の弱みにつけ込む悪徳商法や犯罪がはびこっていますね。
悪いヤツや嫌なヤツは残念ながらどこにでもいるんだけど、それでもなんて言うか、最後は善の方が勝つというか、そんな希望を抱かせてくれる映画です。
心震える映画にたくさん出会ってきた私も、大変な状況になったり気持ちが凹んだりした時、物事の「善」の部分を覗きたくてつい観たくなるのは大体こんな類の映画だったりします。
数々の名だたる賞にも輝いており、今こそ!!全世界の人に観てもらいたい名作ですが、DVD等はなぜかすでに廃盤らしく、公にすすめるにはマニアックな映画となってしまいました。

中古DVDならネットでも手に入るみたいですが、レンタルもありますし、たまのテレビ放送もあるかもしれませんので機会があればぜひ。
他にも素敵な映画をご紹介していきます。こんな時期だからこそおうちで素敵なシネマタイムをぜひ。
╰(*´︶`*)╯♡
一発目からマニアックなチョイスですみません。
ちなみに日本ヘラルド映画の関係者の方、もしこのブログを読んでましたらDVDの再発売をどうかご検討下さい。
次回はもう少しメジャーなやつにします。
それでは引き続き体調ご自愛下さいませ。
ここまで読んで下さりありがとうございました。ではまた。