シングルマザーの会の元スタッフから

シングルマザーの会の元スタッフから

今年はなんという年なんだろう。
新しい年が明けてちょうど2ヶ月、2月の終わりに14年4ヶ月共に暮らした愛猫ここあを亡くした。2年近く闘病していたので覚悟はしていたものの、別れはつらく悲しく耐えがたい。
そしてその悲しみに浸る間もなく、やってきたのがコロナだ。ここあの具合が悪かった頃もくすぶってたけれど、なんとかまだ関東にいる子どもたちも大阪との往き来ができていた。が、ここあが亡くなってから、ザル対策しかしていない無能政府のせいでどんどん状況は悪化中。
ここあ、あんたがいなくなって世界は本当にひっくり返ってしまったよ、と思う。
そして、あんたは、おねーたんやおにーたんと、ちゃんとお別れできるときに亡くなっていったんだね、最期までなんて賢くていい子なんだよ、ここあは、と小さな箱に入ってしまったここあに話しかけてしまう。

外に出ないこと、人に会わないことが一番の安全で感染拡大防止になるとわかってるので怖がりで不安症の私は極力家にいたい。けれど仕事は在宅ができないので行くしかない。それでも家にいる時間が随分増えたけれど。
ここ2年くらいはここあの高額医療費のために超ビンボー生活していたので家にこもるのも外食などしないのも慣れてるけれど、それにしてもこんなに何もできず会いたい人たちにも会えず見えない恐怖におびえるのは初めてかも。
たぶん長く続くだろう、ひとり暮らしの自粛生活をメンタルを保ちつつどう過ごすか考えてみた。
とりあえず、しばらくお休みしていた韓国語は続けなきゃ。また試験を受けようか。積ん読のまま読んでいなかった韓国語の小説も読もう。
今、読んでるのはキムヘジンという作家の「9番の仕事」という小説。(大好きな作家さんで、L GBTの娘を持つ母が語りの「娘について」という作品は日本語訳も出ているのオススメです)
会社でリストラされかけてる人の話ね。
とっても暗く苦しい話。でも前作もそうだったけれどその暗さに私は惹かれる。希望を感じるのだ。なぜかはわからないけれど。
そして家にいる間は、ずーっと韓国のFMを流しっぱなしにしている。そこから流れる歌や曲に癒される。
それから韓国ドラマ。今は時代劇をいくつか視聴中。面白すぎてぐいぐい引き込まれる。これを機に朝鮮王朝のことをもっと勉強したいとも思う。

そういえば私、20年前はDV被害者で隠れ住んでたんだよなあ。住民票も保険証もなくて病院も実費で行くしかなくて、居場所が見つかったらどうしようと怯えて暮らしてた。離婚成立まで2年近くかかって、なかなか進展しなくて長かったけど乗り切ったなあ。あの頃もFMで音楽を聴き、古本屋で小説買って読みまくったなあ。
あれから20年、また試練がやってきた。
あの頃とは違う恐怖、不安。
そんな中、私はまた音楽を聴き、小説を読みながら(今度は韓国語で、やけど)、関東に住む子どもたちと安心して自由に行き来できる日を心待ちにしている。
今の支えは会いたい人たちの存在、だろうか。家族、友人、韓国語学習仲間。
東京と埼玉に行って、そしてそこから山梨にも行きたい。南アルプス市のさくらんぼも食べたい🍒そのためには生き延びなければ。

子どもたちとの3人暮らしを始めた頃、希望も先の見通しも全くなく泣き暮らしていた時、ある人から言われた言葉が私は今も忘れられない。今も、苦しい時はその言葉を思い出す。
「今日一日を生きて。今日一日を生きなければ明日は来ない。だからただ今日一日を生きてほしい」
私はあの頃も、そしてここあが病床にあって苦しくつらかった時も、その言葉を心の中で繰り返しながら生きてきた。そしてたぶんこれからも。

**韓国文学は今では日本語翻訳もたくさん出ていてオススメです。30-40代の女性作家が多いのも特徴。
言葉の持つ力を私は信じたい!

(この写真はここあちゃんではありません。佐藤が散歩中に出会った子です.佐藤)